アトピー性皮膚炎について
診断基準
当院では、アトピー性皮膚炎の診断基準について「UKWP(The UK Working Party)」の診断基準を採用しております。アトピー性皮膚炎の診断基準は色々とありますが、この基準は国内では国立成育医療研究センターでも採用されている診断基準です。
UKWPの診断基準
以下の(1)大基準と、3項目以上の(2)小基準を満たしたものをアトピー性皮膚炎と診断します。 (1)皮膚が痒い状態である。または両親から子どもが皮膚を引っ搔いたり擦ったりしているといった報告がある。 (2) ①お子様はこれまでに肘の内側・膝の裏側・足首の前・首回り(9歳以下は頬を含む)のいずれかに皮膚の痒い状態が生じたことがある。 ②お子様は花粉症や喘息の既往がある。或いは、一等親以内にアレルギー性鼻炎・喘息・アレルギー性結膜炎・アトピー性皮膚炎・食物アレルギーなどの既往がある。 ③過去12カ月以内に全身の皮膚乾燥の既往がある。 ④関節の内側(3歳以下は頬・おでこ・四肢外側を含む)に湿疹がある。 ⑤1歳以下で発症している。(3歳以下のお子様にはこの基準は当てはまらない) 上記の診断基準は、生育医療研究センターのアレルギー・アトピー性皮膚炎ページに記載されています。
原因
皮膚の保水力が低下して、皮膚のバリア機能が失われることが主な原因です。 皮膚が乾燥すると、外界の刺激やアレルゲンなどが体内に侵入しやすくなり、それらの刺激が免疫細胞と結びついてアレルギー反応を引き起こします。さらに、皮膚のすぐ側まで痒みを感じる神経が伸びて、敏感に痒みを感じやすくなります。掻く行為によって皮膚のバリア機能が低下して、症状悪化が続く負のスパイラルに陥りやすい傾向があります。
症状
治療
悪化要因への対策
薬物療法
ステロイドについて
ステロイド軟膏は、比較的副作用が少ない薬剤です。ステロイド内服薬と注射は、注意が必要な薬剤ですが、軟膏であれば副作用のリスクがほとんどありません。ただし、長期間使用することで、ニキビが生じたり、皮膚が薄くなったりという局所的に副作用が生じることがあります。薬剤を塗布する日と塗布しない日を決めて行う、間欠投与によって副作用のリスクを軽減していきます。 当院では、患者さんの安全性を第一に、症状改善へ向けて適切な治療を行っております。ステロイド剤を使った治療におけるリスクや必要性についても、しっかりと丁寧に説明しております。なにか気になることや心配なことがありましたら、どうぞお気軽に当院までご相談ください。