舌下免疫療法
アレルゲンの抗体となる治療薬を舌の下に投与することで、免疫を付けていく治療を、舌下免疫療法と言います。
現在では、スギ花粉症とダニアレルギーの治療がお子様にも対応できるようになりました。一年中鼻水や鼻づまり・眼の痒み・くしゃみなどアレルギー症状が見られる場合は、ダニアレルギーが考えられます。ダニアレルギーは、一年中いつでも治療を開始できますが、スギ花粉症の場合は花粉飛散時期の春以外に治療開始します。
また、気管支喘息など重篤なアレルギー症状がある場合は、喘息の治療を行って発作をコントロールできるようになってから舌下免疫療法を開始します。ダニアレルギーやスギ花粉症と、気管支喘息を合併している場合も、舌下免疫療法を併用することで症状が安定するとされています。
受験など、春先に大きなイベントがある方などにお勧めの治療方法です。
子どもの舌下免疫療法について
舌下免疫療法は、お子様にも有効な治療方法です。花粉症やダニアレルギーのつらいアレルギー症状を緩和させることで、生活の質が向上します。
受験をはじめ、春先の大事なイベントがある方にお勧めの治療方法です。
当院は、知識・経験豊富な小児科専門医・アレルギー科専門医がお子様の舌下免疫療法を行います。
お子様の舌下免疫療法をご検討の方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
治療は5歳から可能
国内においては、ダニアレルギーとスギ花粉症のお子様にも舌下免疫療法が行われています。
治療の対象となるのは、5歳以上のお子様です。アレルゲンが体内に侵入することで引き起こすのがアレルギーですが、舌下免疫療法は少しずつアレルゲンを体内に投与して免疫を作ります。
舌下免疫療法は、注射による治療法と異なり、痛みがないのが大きな特徴です。
また、アナフィラキシーショックを起こすリスクが低いとされています。
毎日、抗体とされる薬剤を舌下に投与する必要がありますが、口内で簡単に溶けるため負担がありません。
スギ花粉症治療は11月までにスタート
ダニアレルギーは、一年中いつでも治療を開始できますが、スギ花粉症の治療は花粉飛散時期を外して開始しなければなりません。
翌年の飛散シーズンに備えるためには、11月頃までに開始する必要があります。
それ以降だと、飛散時期を過ぎてからの開始となります。
舌下免疫療法の内容
初回投与はクリニックにて行います。タブレット上の治療薬を舌下に置き、そのまま1分置いておきます。1分が経ったら、飲み込みます。
初回では、投与後しばらくはクリニック内でお過ごし頂きます。また、服用の前後2分間は、水分摂取を控えてください。
服用前2時間は、入浴・飲酒・激しい運動も控えます。
治療開始時期は、ダニアレルギーの場合は一年中いつでも治療できますが、スギ花粉症の場合は花粉の飛散時期を外して治療を開始する必要があります。
翌年の飛散時期に備えるためには、遅くても11月までに治療を開始することをお勧めしています。
なお、治療薬はダニアレルギーの場合とスギ花粉症の場合とでは異なります。
両方のアレルギーがある方は、ダニアレルギーと花粉症用の治療薬を1錠ずつ服用することで、同時に治療を行うことができます。
3～5年間は毎日の継続が必要
舌下免疫療法は、効果を感じられるまでに時間がかかります。
アレルギーの免疫ができるまでに1～2年はかかるとされています。アレルギー症状は、治療開始してから2～3カ月ほどで落ち着いてきます。
なお、舌下免疫療法は、約3～5年間は毎日服用を継続していきます。1日1回の服用を地道に継続することが、非常に重要です。
ご注意
治療初回は、クリニック内で服用しその後しばらくは経過観察を行います。
その際に異常がなければ、ご自宅での服用を開始します。舌下免疫療法は、最初の数カ月は副作用が出やすいため、治療開始1週間後、2週間後と経過を見ながら、徐々に通院頻度を減らします。
気になることがありましたら、早めに当院までご相談ください。
生活の質を高めるために
アレルギーを保有しているお子様は、喘息とダニアレルギーというように、複数のアレルギーを持っていることが多く見られます。
この場合、片方ずつを治療するより、同時に両方治療することで効果的に症状が改善することがあります。
舌下免疫療法は、効果を得られるまでに時間がかかりますが、1日1回の服用のため負担がありません。
気長に継続することで、アレルギー症状を緩和することができます。
アレルギー症状が軽減することで、生活の質を上げることができるため、つらい症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
重症アレルギー性鼻炎の治療について
舌下免疫治療をすすめていても、中には重症な症状が残ってしまっている方がいます。
そんな患者さん（１２歳以上）に対しては、オマリズマブ（商品名；ゾレア）の皮下注射という新たな選択肢もあります。桜こどもクリニック本八幡でのアレルギー専門外来で開始します。
症状がなかなか改善されない患者さんへの追加治療の選択として、当院で受け入れを開始しようと思いますので、どうぞご相談ください。
